【2026年版】動画制作に使える補助金・助成金 全国一覧(自社受給実績つき解説)

「PR動画や採用動画を作りたいけれど、費用を補助金で賄えないか調べている」という経営者の方から、弊社にもよく同様のご相談をいただきます。結論からお伝えすると、動画制作費を補助金・助成金で補填することは十分に可能です。ただし、制度によって「対象になる費用の範囲」が大きく異なるため、選び方を間違えると申請しても対象外となるケースがあります。

弊社(合同会社トルアス)は、映像制作を本業としながら自社でも複数の補助金を受給してきた経験があります。IT導入補助金(インボイス枠・2024年採択)はじめ、補助金の「申請する側」と「IT導入支援事業者として伴走する側」の両方の視点を持っているため、本記事では制度ごとの実態を正直にお伝えします。

この記事では、2026年08月時点で動画制作費・映像制作費に活用できる主な全国制度を4つ取り上げ、補助率・上限額・実際に対象になる費用の範囲を整理します。どの制度が自社に合うかを見極めるための判断材料としてお役立てください。なお、採択を保証するものではありませんのでご留意ください。


動画制作費に使える補助金・助成金はどれ?全国制度の一覧

2026年08月時点で、中小企業・小規模事業者が動画制作費に活用できる全国制度は主に4つです。それぞれの特徴を一覧で把握したうえで、詳細を確認しましょう。

制度名 補助率 上限額(目安) 動画制作費への適用
小規模事業者持続化補助金(通常枠) 2/3 50万円 ◎ 広報費として明示的に対象
デジタル化・AI導入補助金2026 1/2〜4/5 最大450万円 △ 動画制作ソフト等のITツールが対象。外注費は対象外
ものづくり補助金 1/2〜2/3 750万円〜 × 動画制作費は原則対象外
新事業進出補助金 1/2〜2/3 500万円〜 △ 新事業の広報費として一部対象になる場合あり

以下で各制度の詳細と注意点を解説します。


①小規模事業者持続化補助金——動画制作費が「広報費」として明示的に対象

4つの制度のなかで、動画制作費に最も直接的に使えるのが小規模事業者持続化補助金です。補助対象経費の区分に「広報費」が設けられており、新たな販路開拓のためのPR動画・プロモーション映像の制作費がそのまま計上できます。

制度の概要(2026年08月時点)

  • 補助率: 2/3(補助対象経費の3分の2を補助)
  • 補助上限額: 50万円(通常枠。創業型など特定の枠は異なります)
  • 対象: 従業員数が一定規模以下の小規模事業者(業種により異なる)
  • 直近の公募(第20回): 申請受付開始 2026年11月5日、締切 2026年12月15日17:00
  • 公式サイト: 商工会議所地区 / 商工会地区でそれぞれ別窓口

動画制作費として使える経費の具体例

  • 映像制作会社への外注費(撮影・編集・テロップ制作など)
  • PR動画のナレーション録音費
  • 完成した動画の広告配信費(SNS広告・YouTube広告など)

ポイントは「販路開拓を目的とした動画」である必要がある点です。既存顧客向けの社内研修動画や採用向け動画は、用途によっては対象外と判断される場合があります。申請前に担当の商工会・商工会議所へ確認することをお勧めします。制度の詳細な申請手順については、小規模事業者持続化補助金で動画制作費はいくら補助される?申請の流れを解説も合わせてご覧ください。


②デジタル化・AI導入補助金2026——動画制作ツール・配信システムの導入に活用

2026年度から旧IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金2026」として制度が刷新されました。補助対象はITツール・ソフトウェアの導入費が中心で、映像制作会社への外注費(動画制作費そのもの)は対象外です。ただし、「動画制作に使うソフトウェア」や「ライブ配信・動画管理システム」の導入費は対象になりうるため、自社内制作やハイブリッド利用の場合に活用の余地があります。

制度の概要(2026年08月時点)

  • 補助率: 通常1/2以内。小規模事業者は要件を満たすと4/5以内
  • 補助上限額: 通常枠で最大450万円
  • 主な申請枠: 通常枠 / インボイス枠 / セキュリティ対策推進枠
  • 公募開始: 2026年2月27日(複数回の締切設定あり)

動画・映像制作との関係

たとえば、以下のような用途では活用を検討できます。

  • 動画編集ソフトウェアやクラウド動画管理プラットフォームの導入
  • ライブ配信管理システム・テロップ送出システムの導入
  • 映像確認・承認ワークフローツールの導入

一方で「撮影費」「編集費用」「制作会社への外注費」はITツールの導入費ではないため対象外です。弊社では2024年にIT導入補助金(インボイス枠)を自社で申請・採択されており、申請書類の作成から交付申請まで一通り経験しています。動画制作ツールの導入費も対象になり得るか、詳しくはIT導入補助金でHP制作・動画制作は対象になる?IT導入支援事業者が解説をご参照ください。


③ものづくり補助金——大型設備投資向けで、動画制作費は原則対象外

ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、新製品・新サービスの開発や生産設備の導入を支援する補助金です。補助上限が750万円〜と高額で注目度が高い反面、動画制作費(広告・PR映像の制作費)は原則として対象外となっています。

制度の概要(2026年08月時点)

  • 補助率: 中小企業1/2、小規模事業者2/3
  • 補助上限額: 枠により750万円〜3,000万円程度
  • 直近の公募(第23次): 2026年2月6日〜5月8日(第23次は締切済み)
  • 公式サイト: portal.monodukuri-hojo.jp

「動画コンテンツそのものを新サービスとして開発する」など、事業内容によっては映像制作費が付随的に認められるケースもゼロではありませんが、単純な「PR動画を作りたい」という用途では採択が難しいのが実態です。混同して申請する事業者が多い制度ですので、公募要領を必ず確認してください。


④新事業進出補助金——新分野への進出を伴う場合の選択肢

2024年度で事業再構築補助金が終了し、後継制度として「新事業進出補助金」が始まりました。既存事業とは異なる新市場・新分野への進出を計画している中小企業が対象で、その事業の広報費として動画制作費が付随的に対象となる場合があります。

制度の概要(2026年08月時点)

  • 補助率: 枠により1/2〜2/3(詳細は公募要領を確認)
  • 補助上限額: 枠により500万円〜(詳細は公募要領を確認)
  • 第1回公募要領: 2026年6月30日公開(2026年08月時点)

新事業進出補助金は「新しい事業への移行・進出」が主眼のため、既存サービスのPR動画だけを作りたい場合には適しません。自社の事業転換・新分野展開を計画している段階で、映像活用も含めて申請スキームを設計するのが現実的です。


弊社の受給実例——IT導入補助金から学んだ申請3つのポイント

弊社は2024年にIT導入補助金(インボイス枠)の交付を受けており、また現在はIT導入支援事業者として登録し、クライアント企業の申請サポートも行っています。自社申請と支援業務の両方を経験したなかで、見えてきたポイントが3つあります。

  1. 「何のための動画か」を先に整理する: 補助金の対象になるかは、「販路開拓」「新事業」「ITツール導入」のどの文脈で動画を位置づけるかで変わります。制作会社に丸投げする前に、事業計画との整合性を確認するのが先決です。
  2. 交付決定前に発注・着手しない: どの補助金でも「交付決定の前に発注・着手した費用は対象外」というルールがあります。動画制作は打ち合わせから納品まで数週間かかるため、スケジュール設計が重要です。
  3. 制作費の「見積書」を正確に用意する: 申請時には費用の明細が必要です。撮影費・編集費・テロップ費などが明細に分かれた見積書を制作会社に依頼しておくと、審査書類の作成がスムーズになります。

実際の案件では、補助金申請のスケジュールと制作期間の調整が最も難しいポイントでした。「交付決定が出てから発注」というルールを守りつつ、期限内に納品を終えるには逆算した日程管理が不可欠です。


まとめ——自社に合う補助金を選ぶ3ステップ

  • 動画制作費そのものを補助したいなら小規模事業者持続化補助金(通常枠)が最も直接的。補助率2/3・上限50万円で広報費として使えます。
  • 動画制作ソフトや配信ツールを導入したいならデジタル化・AI導入補助金2026が選択肢。ただし制作会社への外注費は対象外です。
  • ものづくり補助金・新事業進出補助金は動画制作が「目的」ではなく「手段」の場合にのみ検討。単独でのPR動画制作には不向きです。
  • 採択を保証する補助金制度は存在しません。申請前に公募要領を必ず確認し、商工会・商工会議所や認定支援機関に相談しましょう。
  • 「交付決定前に着手しない」は全補助金共通の鉄則。制作スケジュールと申請スケジュールを事前にすり合わせることが採択後のトラブル防止につながります。

鹿児島県内で使える地域独自の補助金(鹿児島県・鹿児島市の制度)については、鹿児島の動画制作で使える補助金まとめ【2026年版】で詳しく解説しています。「どの補助金で申請するか迷っている」「申請書類の作り方がわからない」という場合は、お気軽にご相談ください。


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